大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和27(あ)4063 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人鳥海一男の上告趣意について。

論旨引用の各判例は、それぞれその事案に即して説示しているため、表現に多少

の差異はあるけれども、その趣旨とするところは苟しくも共謀者が共同意思の下に

一体となつて、互に他人の行為を利用して、その犯罪意思を実行に移した以上、自

ら犯罪の実行行為を分担しなくとも、他の共謀者の実行した犯罪行為につき共同正

犯の責を免れないとする点にあるのであつて、論旨が特に別異の趣旨なりとする昭

和二四年(れ)第一二七八号同年九月一日第一小法廷判決及び昭和二四年(れ)第

一六三一号同年一一月一五日第三小法廷判決も、別段、実行々為を分担しなかつた

共謀者はその実行に欠くべからざる行為を行つた者か、または犯罪の実際上の主謀

者でなければ共同正犯の責任なしとまでするものではない。そして、第一審判決の

確定した事実に徴すれば、被告人が第一審相被告人A等と共謀の上、同人等の行為

を利用して判示建物に放火する意思を実行に移した事実を認めるに十分であり、何

人が最初にその犯行を提議したかということは、この場合共同正犯の成立を左右す

るものではないから、原判決が論旨摘録の如く説示し、被告人に対し共同正犯の成

立を是認したことは固より正当であつて、前記判例の趣旨に則つたものと云うべく、

判例違反の論旨は理由がない。

また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和二九年四月九日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

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裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

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